Chiaファーム、縮小のはじまり ― 5年やってきた自宅ファーミングの区切り
2021年4月中旬、まだXCHが取引所に上場する前から回し続けてきた自宅のChiaファーム(HDDの空き容量を使って暗号資産XCHを得る「ファーミング」という仕組みです)を、ここでいったん縮小しようと思います。
畳むわけではありません。ただ、電気代がXCHの収益を上回るようになった今のタイミングは、規模を見直すにはちょうどいい区切りだと感じています。約5年分の記録を残しておきます。
1. 今の到達点を記念に残しておく
縮小する前に、まずは現時点の数字を書き残しておきます。ここがこのファームのひとまずのピークです。
space farmers側(Windows運用)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Farming space | 237.140 TiB |
| Blocks won | 98 |
| Total XCH Farmed | 14.4 XCH |
| ウォレット残高 | 139.505 XCH |
| ネットワーク全体 NetSpace | 3.619 EiB |

nossd側(Linux運用、圧縮プロット)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Farming space | 139.15 TiB |
| 圧縮 | C33(Quadro P4000を利用) |
| ウォレット残高 | 107.346 XCH |
nossdは2024年3月に、圧縮プロット(HDDの容量を節約できる代わりに、GPUで展開する仕組みです)を使って並行で始めました。開始時はC15という圧縮率でしたが、現在はC33まで上げています。圧縮にはQuadro P4000を使っています。空き容量の少ないHDDでも、圧縮すれば実質的な有効プロット容量を増やせるのが利点でした。ただ、このnossdがXCHの価格下落に影響したのではとも考えています。
2つのウォレットを合わせると、保有量は246.9 XCHになります。
HDDの構成は次のとおりです。
| グループ | 容量 | 台数 | 構成 |
|---|---|---|---|
| space farmers | 8TB | 10台 | ReadyNAS 8ベイ+USB HDD×2 |
| space farmers | 10TB | 2台 | ReadyNAS 2ベイ |
| space farmers | 18TB | 9台 | Dell PowerEdge R720 |
| nossd | 18TB | 8台 | IBM x3550 |
| nossd | 3TB | 3台 | Linux PC |
現在の容量に落ち着いたのは3年ほど前(2023年頃)で、そこからはほぼ同じ規模を維持してきました。稼働通算は約5年になります。
2. 年表 ― プールを渡り歩いた5年
Chiaファーミングは、プロット(あらかじめHDDに書き込んでおく専用データ)を作った上で、そのHDDを「プール」と呼ばれる集団に参加させて運用するのが一般的です。うちのプール遍歴を、左から右に時系列で並べるとこうなります(実際の年数比率どおりではなく、あくまで概念図です)。
始めた2021年4月は、まだChia公式のポータブルプーリングが存在せず、選べる先はhpoolくらいしかありませんでした。その後、公式のportable poolingが実装されたタイミングで日本のプールだったhddminingへ移行し、以降はプールが閉鎖されるたびに次のプール(space pool→現在のspace farmers)へ乗り換える形で今に至っています。プールの栄枯盛衰につきあいながら、HDDだけはずっと同じ場所で回り続けてきた形です。
3. 数字で見る現実 ― なぜ今が潮時なのか
XCHの価格は、最高値(約$1,600〜1,900)から99.9%下落し、直近は史上最安値圏で推移しています。ここまで下がると、さすがに電気代との関係を一度計算し直す必要が出てきます。直近は取引高も増えてきているので、この先価格が大きく動く可能性はありそうです(上か下かは分かりません、あくまで推測です)。
以下は、2026年8月6日時点のレートを前提にした試算です。XCH=$1.40(≒¥221)、為替USD/JPY=158、電気単価28.62円/kWhとして計算しています。日次のXCH産出量は実測の平均から出した概算値で、日によってブレがある点はご了承ください。
- 日次XCH産出量: 約0.62 XCH(概算。space farmers側 約0.25 + nossd側 約0.3〜0.4)
- 収益: 約¥146/日 ・ 約¥4,400/月 ・ 約¥53,000/年
- 合計消費電力: 約674W(16.2kWh/日)
| 区分 | 日 | 月 | 年 |
|---|---|---|---|
| 収益 | 約¥146 | 約¥4,400 | 約¥53,000 |
| 電気代(28.62円/kWh) | 約¥463 | 約¥13,900 | 約¥169,000 |
| 純損益(電気代のみ) | 約−¥317 | 約−¥9,500 | 約−¥116,000 |
※この純損益はあくまで電気代だけを引いたもので、HDDやサーバー本体の減価償却は含んでいません。
現在のXCH価格では、電気代すら賄えない状態です。
4. 縮小の段取り
というわけで、次のような順番で規模を見直していきます。
- まず8TB・10TBの小容量HDDから処分する: HDDの相場が高騰している今は、古い小容量ディスクを手放すにはむしろいいタイミングです。
- 次のハードフォーク(Chia 3.0)の様子を見る: プロトコル側の変更で状況が変わる可能性があるため、そこでの挙動を見てから追加の判断をします(この先どうなるかはまだ推測の域です)。
- 完全撤退はしない: 18TBの大容量ディスクや、圧縮プロットで効率のいいnossd側は当面残す方向です。電気代が今より下がるか、XCH価格が戻るか、状況が変わればまた規模を調整します。
5. お疲れさま、という話
上場前から回し続けて約5年、途中で何度もプールが閉鎖しては次のプールに移り、気づけば246.9 XCHが手元に残っていました。儲かったかどうかで言えば今はまったく儲かっていませんが、5年間HDDを回し続けたこと自体は、それはそれで一つの記録だと思っています。
完全に電源を落とすわけではないので、これは「引退式」というより「一区切りの整理」くらいの温度感です。まずは小容量HDDから、ゆっくり手放していきます。
運用にあたっては、hyperbanana.netや時代に追いつくMining Logの情報にもずいぶんお世話になりました。
ここまで空き容量を貸し続けてくれたHDDたちに、記念カキコがてらお疲れさまでした、と言っておきます。
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